だんな君は、漫画は基本的に単行本で読む派です!

ジャンプとか、そういう雑誌もほぼ買ったことがないんだ…
なので何か新しい漫画を読みたいなあと思ったら
本屋で試し読みをしたり、表紙だけ見て面白そうなものを探したり
あとは携帯の迷惑メールが来るのを待って
そのメールの文章の最初の文字から始まるタイトルの漫画を買う、なんてルールで買った時もありました
そんな中で出会ったのが市川春子さんです
市川春子さんの短編集
「虫と歌」「25時のバカンス」という2冊の短編集を買って
繊細な線と強い影のコントラストや
幻想的でありながら生々しい物語
散りばめられたユーモア
読む人によって好き嫌いは分かれるかもしれませんが
だんな君はあまりジャンルにこだわらず、女性向けの漫画なども普通に読んだりするので
何の抵抗もなく存分にその世界観に浸って
すっかりお気に入りの作家さんになりました
そんな市川春子さんの連載作品「宝石の国」がついに完結しましたね

もちろん最終13巻も、発売後すぐに買って読んだよ
「宝石の国」13巻
実際に読んで味わっていただきたいので、詳しいことはなるべく書かないようにしますが
少々ネタバレもあるのでご注意を
物語が進むにつれて「鬱マンガ」として話題になった本作
僕も正直、奈落の底に突き落とされたような12巻の展開から
一体どうやって完結に向かうのだろうと思っていました

読み終えた感想としては…
ただよう静けさ
ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく
時間は流れて、世界は変化して、生命はすり減って
フォスの願いだけがそこに残ったような
静かな終わり方でした
特にその静けさを強めていると感じたのは
12巻の終わりで、宝石たちも、月人も、アドミラビリスも、みんなが一堂に会して
そして13巻には、彼らが誰ひとりとして出てこなかったことです
あれだけ紆余曲折、二転三転して
信頼し合っていたり傷つけ合ったり
繰り広げられた長い長い年月がまるで何も無かったかのようで
13巻だけが全く別のお話として動き出したかのようでした
そのターニングポイントが巻の途中にあったらまた感じ方が違ったのかもしれないけれど
巻が切り替わるタイミングに置いたことで
その喪失感や真っさらな始まりがより強調されているように思います
膨大な年月の果てに…
それから、作中では時間の進み方が非常に速くて
読んでいると、何万年もの時間が一瞬のように過ぎていくことに慣れてしまいますが
膨大な時間経過の積み重なった結果が、きちんと表れていたのも良かったです
どれだけ年月が過ぎてもこの星は永遠にこのまま、そんなふうに思わされてきたので
そうではないことにハッとさせられました
きっと人によって感想は様々だと思いますが
僕は何というか
「火の鳥」を読んだような読後感
この作品に出会えて良かったです

それではまた!
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